「Gakken2023」進捗状況

3カ年の中期経営計画「Gakken2023」のスタートとなった76期はどのような取り組みを行い、 どのような成果や課題があったか、77期の実行計画も含めて報告します。

学研グループを取り巻く事業環境の急激な変化の中、いかなる不確実性にも翻弄されない強固な礎を構築する決意から、中計の経営方針を「揺るぎない成長基盤の確立」と定めました。 このスローガンのもと、教育分野は「新たなまなびの創造と多様な学習機会の創出」、医療福祉分野では、「トップカンパニーを目指し持続可能な街づくりに貢献」をそれぞれの事業方針として掲げています。
同時にグループ戦略として、DXの推進による事業収益力の強化とグローバルでの展開による新たな成長の礎を築くことにより、10年後の事業収益構造は、デジタル領域がグループ収益の40%超を、グローバル展開による事業が30%を超える状態を目指します。

76期(2021年9月期)の進捗

中期経営計画「Gakken2023」において、教育と医療福祉の両事業分野で重点施策に挙げた取組みは、いずれも順調に進捗しています。また、DXやグローバルといった横串となる5つの戦略領域(ユニット)、そして「グループガバナンス強化と資本コスト経営」として掲げたグループの重点施策に対しても、中期目標を達成するために必要な1年目として実施すべき施策を推進してきました。
今後は、初年度の課題を整理し、「想像の先を、創造する」というグループビジョンと行動指針のもと、新たな環境の変化にも柔軟に対応しながら、中期経営計画を達成し、学研グループ一丸となって2030年の目指す姿の実現を目指します。

76期の成果

事業分野、戦略ユニットそしてグループ経営の視点から定められた重点施策に対しては、それぞれに進捗を可視化するための指標を設定し、定期的にモニタリングを実施しています。

教育分野

▲自宅で学べるDXの2つの事業をスタート。

「新たなまなびの創造と多様な学習機会の創出」を基本方針に、8つの重点施策に取り組んでいます。
初年度の特筆すべき成果として、塾・教室事業では既存事業の見極めを含む構造改革を進め、同時にオンライン学習の「ことばパーク」「Gakken ON AIR」などの新たなサービスを立ち上げました。
今後は「スマート教育」の提案と浸透を推進させるため、より実効性ある施策を進めていきます。

医療福祉分野

▲2021年8月開設のココファン静岡南八幡は、静岡市の移住高齢者らが自立して活動する「生涯活躍のまち静岡(CCRC)」推進事業の一環。

 「トップカンパニーを目指し持続可能な街づくりに貢献」を掲げ、人財・品質・開発をテーマとした重点施策を推進しています。いずれの施策においても計画に応じた進捗が見られ、高齢者向け住宅と認知症グループホームとで計30の新規拠点を開設しました。
中期経営計画2年目の77期は、人財と品質を伴う新規開発というテーマでの施策に加え、収益力向上の指標を追加し、持続的な成長を促進していきます。

グループ経営

事業分野、戦略ユニットそしてグループ経営の視点から定められた重点施策に対しては、それぞれに進捗を可視化するための指標を設定し、定期的にモニタリングを実施しています。

「グループガバナンス強化と資本コスト経営」という方針のもと、学研版事業ポートフォリオの導入を進めています。 初年度としては重要な考え方・指標となるROICを各事業で定め、2つの事業分野と5つのユニットによる学研版のマトリクス経営の運用をしています。また、多様な人財の活用・登用を進めるとともに、エンゲージメントサーベイを通じて抽出された「働きがい」と「働きやすさ」を高めるための各種施策にも取り組んでいます。
より不確実性が高まる中で、持株会社の機構改革や戦略遂行の意思決定プロセスを改善することで、事業単位が持つ最適解とグループとしての最適解とのバランスを確保しながらも、より俊敏な経営判断ができる体制を確立します。